【Exchange Online】アイテム保持ポリシー (MRM) とは

Exchange Online 技術情報
  • MRM アイテム保持ポリシーはどのようなときに利用?
  • 保持タグとは何?アイテム保持ポリシーとの関連性は?

各種コマンドを実行するためには Exchange Online へ接続します。
Exchange Online への接続は以下です。

MRM アイテム保持ポリシー

アイテム保持ポリシーは、日々増加するメールデータのサイズを効果的に管理するためのものです。
メールアイテムを自動的に削除したり、アーカイブへ移動する処理です。

一覧を表示するには以下のコマンドを使用します。

Get-RetentionPolicy

Default MRM Policy

Default MRM Policy は、既定で存在するアイテム保持ポリシーになります。
メールボックスを新規作成すると、既定で割り当てられるデフォルトのポリシーです。

ユーザーにどのポリシーが適用されているかは以下コマンドで確認可能です。

Get-Mailbox taro | select RetentionPolicy

既定のアイテム保持ポリシー (Default MRM Policy) に含まれる保持タグを確認する場合は以下のコマンドを実行します。

(Get-RetentionPolicy "Default MRM Policy").RetentionPolicyTagLinks | Format-Table name

アイテム保持ポリシーの新規作成

アイテム保持ポリシーを新規作成します。

New-RetentionPolicy -Name "新しいアイテム保持ポリシー名" 

保持タグの設定

アイテム保持ポリシー (MyPolicy) に 2 つの保持タグを設定します。

Set-RetentionPolicy "MyPolicy" -RetentionPolicyTagLinks "Default 2 year move to archive","MyRetentionPolicyTag"

ポリシーにリンクされた保持タグがある場合には、既存のタグは置き換えられます。

保持タグ

保持ポリシーには保持タグと呼ばれるものが含まれます。
イメージとしては、アイテム保持ポリシーは保持タグを入れておくための器のようなものです。
保持ポリシー自体に具体的な保持手段 (保持期間や保持手段など) は記述しておらず、これらの情報はすべて保持タグが持ちます。
この保持タグには様々な種類があり、自分で新たに作る (定義する) ことも可能です。
アイテムやフォルダ単位に保持手段が定義されたタグをつけることで容量などを効率的に管理します。
保持タグには様々な種類があります。

一覧を表示するには以下のコマンドを使用します。

Get-RetentionPolicyTag

保持タグの内容を確認します。
※ 保持タグ、[Recoverable Items 14 days move to archive] を確認する場合。

Get-RetentionPolicyTag "Recoverable Items 14 days move to archive" |select Type,AgeLimitForRetention,RetentionAction

以下出力結果です。

Type             AgeLimitForRetention RetentionAction
----             -------------------- ---------------
RecoverableItems 14.00:00:00          MoveToArchive

保持タグの種類と役割

既定 (DPT) タグ

メールボックス全体 (「受信トレイ」や「予定表」等ではなく) に自動的に適用するタグになります。

  • Default 2 year move to archive:730 日経過したアイテムはアーカイブに移動されます。
    ※アーカイブへ移動する動作については、インプレース アーカイブが有効の場合にのみ動作します。
    インプレース アーカイブについてはこちらです。

アイテム保持ポリシー (RPT) タグ

既定のフォルダー (受信トレイ、削除済みアイテムなど) に自動的に適用するタグになります。

  • Junk Email (迷惑メールフォルダ―に自動適用):30 日経過したアイテムは削除して回復を許可します。
  • Recoverable Items 14 days move to archive (回復可能なアイテムフォルダ―に自動適用):14 日経過したアイテムはアーカイブに移動します。
    回復可能なアイテムについてはこちらです。

個人タグ

既定ではこのタグは適用されません。
このタグを利用する場合は、利用するユーザーが手動で (Outlook で) 対象のフォルダーに対して設定する必要があります。
対象のフォルダとは、既定のフォルダー以外を指します (自分で後から作成したフォルダーのこと)

  • 1 Month Delete:30 日経過したアイテムは削除して回復を許可します。
  • 1 Week Delete:7 日経過したアイテムは削除して回復を許可します。
  • 1 Year Delete:365 日経過したアイテムは削除して回復を許可します。
  • 5 Year Delete:1825 日経過したアイテムは削除して回復を許可します。
  • 6 Month Delete:180 日経過したアイテムは削除して回復を許可します。
  • Never Delete:無期限に保持 (削除されない)
  • Personal 1 year move to archive:365 日経過したアイテムはアーカイブに移動する。
  • Personal 5 year move to archive:1825 日経過したアイテムはアーカイブに移動する。
  • Personal never move to archive:無期限に保持 (アーカイブへ移動されない)

保持タグの新規作成

保持タグを新規作成します。

New-RetentionPolicyTag -Name "MyRetentionPolicyTag" -Type All -RetentionAction DeleteAndAllowRecovery -AgeLimitForRetention "20" 
オプション意味
Name保持タグの名前
Typeフォルダー・タイプを指定
RetentionAction保持アクション
DeleteAndAllowRecovery : 削除して回復を許可する
PermanentlyDelete : 完全に削除する
MoveToArchive : アイテムをアーカイブに移動
AgeLimitForRetention日数

管理フォルダーアシスタント

管理フォルダーアシスタントは、ワークサイクル (7 日) に 1 度動作し、アイテム保持ポリシーによる保持タグの適用、アイテムの移動や削除が行われます。
[保持タグ] を追加した場合でも、管理フォルダーアシスタントが動作したタイミングで設定内容に沿って処理が行われます。
また、[管理フォルダーアシスタント] の自動動作の対象となるためには、現在のメールボックスの使用容量が 10 MB を超えたメールボックスが対象となります。
以下コマンドにより、管理フォルダーアシスタントを即時動作させる事が可能です。

構文

Start-ManagedFolderAssistant -Identity <メールボックス名>

実行例

Start-ManagedFolderAssistant -Identity UserA

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